平凡な毎日を送るタクシー運転手・小戸川。身寄りはなく、他人とあまり関わらない、少し偏屈で無口な変わり者。趣味は寝る前に聞く落語と仕事中に聞くラジオ。一応、友人と呼べるのはかかりつけでもある医者の剛力と、高校からの同級生、柿花ぐらい。彼が運ぶのは、どこかクセのある客ばかり。バズりたくてしょうがない大学生・樺沢、何かを隠す看護師・白川、いまいち売れない芸人コンビ・ホモサピエンス、街のゴロツキ・ドブ、売出し中のアイドル・ミステリーキッス…何でも無いはずの人々の会話は、やがて失踪した1人の少女へと繋がっていく。
実家の下町の定食屋「ゆきひら」を手伝う日々を送っていた幸平創真は、中学校卒業と同時に、ある料理学校への編入を父・城一郎に薦められる。それは日本屈指の料理学校「遠月茶寮料理學園」……卒業到達率10%以下の超エリート校だった。厳しい試験、脱落者続出の地獄の宿泊研修、退学を賭けた食戟。様々な試練を乗り越え、料理の腕を磨いていく創真。同じ志を持つ仲間や、同世代の実力者たちと出会い、一人の人間としても確実に成長を続けていた。――そして迎えた秋。一年生の中でも選ばれた者しか出場を許されない遠月伝統「秋の選抜」、その出場切符を創真は手にする。「秋の選抜」予選のお題は“カレー料理”。優勝候補でスパイスの使い手、葉山アキラの作るカレーにスパイスの奥深さを知った創真は葉山の宣戦布告に受けて立つべく、スパイスと格闘。予選当日の朝まで試行錯誤して調理に臨み、葉山と同じ“香りの爆弾”という発想に行き着いたが、結果は葉山94点、創真93点と僅差で葉山が一位に。葉山に敗れはしたものの、見事に本戦出場を決めた創真。悔しさを滲ませながらも、さらに強くなることを心に誓い、かくして迎える「秋の選抜」本戦。トーナメントに肩を並べたのは、創真、恵、タクミ、緋沙子、アリス、黒木場、葉山、美作、の8名。次なる創真の相手は……!?そして、てっぺんを取るのは……!?
福岡は一見平和な町だが、裏では犯罪が蔓延っている。今や殺し屋業の激戦区で、殺し屋専門の殺し屋がいるという都市伝説まであった。殺し屋、探偵、復讐屋、情報屋、拷問師etc――、裏稼業の男たちの物語が紡がれる時、『殺し屋殺し』は現れる――。第20回電撃小説大賞《大賞》受賞作!
過去の記憶も、自分の名前さえも、一切を失って瀕死で倒れていた青年。彼が目覚めたのは亜人たちの暮らす自然豊かな世界。そして、彼の顔には、外すことのできない奇妙な“仮面”が被せられていた。青年は、村長(むらおさ)の孫娘・エルルゥに助けられ、傷が癒えるまで村長の家で暮らすことになる。集落の人々とも打ち解け始め、彼の知略と勇気によって集落が“危機”から救われたことがきっかけで、青年は村長から「ハクオロ」と名付けられ、人々にとって次第になくてはならない存在となっていく。そんなある日、事件は起こった。藩主の横暴に抵抗したことで、村長が凶刃に倒れたのだ。村人たちの抑えられていた怒りに火が付き、やがて一斉蜂起へと事態が急速に進展する。叛乱軍の長として、戻れぬ道を歩み始めたハクオロ。しかしそれは仮面に隠された謎と真実を探求する、長い旅路の始まりでもあった・・・。
“超高校級の絶望”による『人類史上最大最悪の絶望的事件』によってかつて世界は崩壊までおいつめられた。そんな絶望に満ちた世界を救うべく、“未来機関”が結成される。江ノ島盾子を倒した苗木誠たち78期生は、未来機関に所属することになった。そこで世界の復興のため活動を続けるが、苗木は「絶望の残党」をかばったとして反逆の罪に問われてしまう。苗木の処分のため集まった未来機関一同だったが、モノクマによって監禁され、「最後のコロシアイ」を突きつけられる。腕には奇妙なバングルがつけられ、一定時間が来ると睡眠薬が投与される。さらに、この中には“裏切り者”が存在し、未来機関を殺しに来るというのだ。「生き延びるためには、裏切り者を見つけ出し、殺すしかない」“学級裁判”というルールが存在しないコロシアイ。殺すか殺されるか、極限状態のデスゲームに、苗木たちは追い詰められていく。希望が希望を殺す絶望の物語が始まる。
原作は、岩明均(いわあきひとし)により1989年~1995年にかけて講談社「アフタヌーン」にて連載され、累計1200万部を誇る大人気コミック(アフタヌーンKC全10巻、完全版全8巻)。平凡な高校生である泉新一は、ある日突然地球に飛来してきた「パラサイト」の襲撃を受ける。間一髪で脳への寄生は免れるが、パラサイトは新一の右腕に寄生、同化してしまう。右手にちなんで「ミギー」と自ら名乗るパラサイトと人間の奇妙な共生生活が始まること―。周囲に真実を話すことができず悩んでいた新一だが、やがて新一とミギーは友情に近いものを感じるようになっていく。しかし、新一とミギーの前には他のパラサイトが現れ始め、次々に人を殺し、また人がパラサイトを殺す事態に発展。新一の同級生・里美にも危険が迫る。その中で、高校教師として目の前に現れたパラサイトの田宮良子らパラサイトたちにもそれぞれの価値観が生まれ始める。「われわれはなぜ生まれてきたのか?」地球を壊し続ける人間たちを淘汰するために生まれてきたというパラサイトたち。そのパラサイトを殺し、生き延びようとする人間たち。「果たして生き残るべきはどちらなのか?」それでも、地球を、そして愛する人を守らなければいけない。ゆらぐ価値観の中で、新一とミギーはパラサイトとの戦いに身を投じていく。
前作「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」に続くシリーズ第2弾。草薙素子を始めとする公安9課は犯罪の芽を探し出し、これを除去する攻性の組織である。招慰難民や核を巡る政治的謀略に立ち向かう中で9課は新たな敵である内閣情報庁、そして「個別の11人」と名乗るテロリストと対峙することになる。
池袋の街を巻き込んだ抗争から半年――。街は平穏を取り戻し、変わらぬ日常を過ごしていた。高校生は青春を謳歌し、池袋最凶は仕事に勤しみ、情報屋は新たな画策に心躍らせ、都市伝説・首なしライダーは街を駆っては白バイ警官に追われ……。しかしそこには非日常が紛れ込む。徐々に色を濃くしていく異分子達によって、街はさらなる混沌に陥っていき……。
舞台はロンドン。ルパンのターゲットは、英国政府を影で操る謎の組織・レイブンが隠したお宝――その手掛かりとなる一枚の絵。立ちはだかるスコットランド・ヤードやMI6。ルパンの動きを察知して現れた銭形警部。そして、ルパンの前に現れた探偵――その名はシャーロック・ホームズ!シリーズ構成・大倉崇裕のメインストーリーと、豪華脚本陣のオムニバスエピソードが絡み合う、謎多き〈ミステリ・ルパン〉が今、幕を開ける!
「二人手をたずさえて、両家を縛る宿怨の鎖を断ち切ろう」四百年の永きにわたる甲賀と伊賀の宿怨を断ち切り、共に生きることを誓い合う甲賀の弦之介と伊賀の朧。しかし、愛し合う二人は、殺し合う運命にあった……慶長十九年。齢七十三歳の家康は悩んでいた。暗愚の兄・竹千代か、聡明な弟・国千代か?混乱を極める徳川三代将軍の世継ぎ問題に決着をつけるため、甲賀を国千代派、伊賀を竹千代として忍法の二大宗家を相争わせ、それぞれの精鋭十人対十人の忍法殺戮合戦の結果、どちらか生き残ったほうにそれを賭けるという厳命を下した。 先代服部半蔵との間に交わされた「不戦の約定」が解かれ、手綱を解かれた猟犬のごとく、怨敵に挑んでゆく忍者達!己の肉体こそが最大の武器!人知を超えた秘術をもった、個性溢るる忍びの面々。老若男女二十人二十色、超人奇人が相乱れ、秘術の限りを尽くして繰り広げられる忍法争いがいま始まる!!凄惨な戦いの果てに、一人、また一人と失われていく仲間達……勝つのは甲賀か、伊賀か? 果たして、生き残るのは一体誰なのか!?そして弦之介と朧、引き裂かれた二人の愛の行方は……?