かつて妖精は、“兵器”だった―。この世界には、動物に憑依することで不思議な力を宿す妖精が存在していた。妖精が憑依した動物の臓器を摘出し、人間に移植することで、妖精を分身として出現させ、兵器として扱えるようになる。妖精を戦争の道具として自在に操る兵士たち、彼らは『妖精兵』と呼ばれた。だが、長きにわたる戦争が終結すると、彼らはその役目を果たし、行き場を失ってしまう。あるものは政府に、あるものはマフィアに、あるものはテロリストに、それぞれの生きる道を選択していった。戦争から9年の歳月が経つ。未だ不安定な政治情勢の中、戦争によって受けた傷や過去を持つ犯罪者が現れ、復讐のためテロを起こすようになっていた。主人公の少女マーリヤは、ある事件に関わった事から妖精に関連する事件を捜査・鎮圧する違法妖精取締機関『ドロテア』に入隊することとなる。これは、無秩序な戦後に抗い、それぞれの正義を求め戦う『妖精兵』たちの物語―。
初めまして、賢者様。ようこそ、壊れかけの世界へ。平凡な日常を送っていた真木晶が迷い込んだのは、魔法使いと人間が共存する世界。その世界では、〈大いなる厄災〉と呼ばれる巨大な月が年に一度襲来する。月と戦う使命を持つ『魔法使い』たちを束ねる『賢者』として、晶はこの世界に召喚されたのだ。月と戦い、世界を救うため。そして、人間と魔法使いの架け橋となるために。自分の心に従い魔法を使う魔法使いたちに、寄り添い、心を繋ぐ努力をする晶。美しく恐ろしい壊れかけの世界で、魔法使いたちとの忘れがたい不思議な日々が始まる。
中世イングランド。ヨーク家とランカスター家が王位争奪を繰り返す薔薇戦争時代。ヨーク家の三男として生まれたリチャードは、母からは「悪魔の子」と疎まれる一方、同じ名を持つ父からは真っ直ぐな愛情を受けて育っていた。リチャードの願いは、この世の光である父・ヨーク公爵が王位に就くこと。だがリチャードの純粋な願いは、イングランドに戦乱の嵐を招くことになる。さらにリチャードは、男女二つの性を持って生まれたという秘密があった。誰にも明かせぬ秘密を胸に秘めたまま、リチャードもまた戦いの渦中に巻き込まれていく。そこで待つのは愛の温もり、絶望の痛み。痛ましくも美しい邂逅と別離が、「悪」の道へとリチャードを誘っていく――。
「これは永遠の拷問。」 伊豆諸島、六軒島。全周10kmにも及ぶこの島が、観光パンフに載ることはない。なぜなら、大富豪の右代宮家が領有する私的な島だからである。年に一度の親族会議のため、親族たちは島を目指していた。議題は、余命あと僅かと宣告されている当主、金蔵の財産分割問題。天気予報が台風の接近を伝えずとも、島には確実に暗雲が迫っていた…。 六軒島大量殺人事件(1986年10月4日~5日) 速度の遅い台風によって、島に足止めされたのは18人。 電話も無線も故障し、隔絶された島に閉じ込められた。 彼らを襲う血も凍る連続殺人、大量殺人、猟奇の殺人。 台風が去れば船が来るだろう。警察も来てくれる。 船着場を賑わせていたうみねこたちも帰ってくる。 そうさ、警察が来れば全てを解決してくれる。 俺たちが何もしなくとも、うみねこのなく頃に、全て。 うみねこのなく頃に、ひとりでも生き残っていればね…?
世界最高峰の探偵養成学校BLUEで天才と呼ばれながら、ある致命的な“欠陥”を抱え、探偵の資格を剥奪された鴨乃橋ロン。不遇の歳月を過ごした彼の運命は、警視庁捜査一課の一色都々丸――通称「トト」との出会いによって大きく変わる。謎を解くロンと、捜査に動くトト。難事件を次々と解決する二人は、次第に名コンビとなっていく。そんなロンの行動に目を光らせるBLUEの内部には、彼の理解者もいた。その一人である校長のエメリッヒは、ロンを追放するきっかけとなった「血の実習事件」が何者かに仕組まれたものだと語る。裏にいたのは、数多くの未解決事件に関わる「史上最悪の犯罪一族」――M家だった。当主の名は、マイロ・モリアーティ。彼はロンにさらなる絶望を与えるため、妹のウィンターを日本に送り込む。ロンとマイロ、両者の間にある因縁とは……!?
主人公ハチマキ(星野八郎太)はサラリーマン。宇宙ステーションでデブリ(宇宙ゴミ)回収を仕事にしている職業宇宙飛行士だ。自分の宇宙船を手に入れるため、同僚のユーリやフィーらとデブリを回収する日々。今年で4年目を迎えた25歳、そろそろ自分の生き方を考え始めてきた。そんな折、ハチマキの働くデブリ課に新入社員が配属された。彼女の名前はタナベ(田名部愛)。初めは、何かにつけて反発し合っていたが、やがて二人は惹かれ合っていく。2075年。地球、宇宙ステーション、月の間を、旅客機が普通に行き交う世界で、ハチマキはどう想い、成長していくのか。
主人公・桐山零は、幼い頃に事故で家族を失い、心に深い孤独を負う18歳のプロの将棋棋士。東京の下町に一人で暮らす零は、あかり・ひなた・モモという3姉妹と出会い、少しずつ変わり始めていく――。これは、様々な人間が何かを取り戻していく、優しい物語。そして、戦いの物語。
決して人と心が通じないと思われていた崇高な獣『王獣』を操ることができる類まれな才能を持ち合わせた少女・エリン。彼女は、その才能を持つ故に、王国の勢力争いに巻き込まれ、波瀾万丈の人生を送ることになる・・・。
スケーターとして挫折した青年・明浦路司が出会ったのは、フィギュアスケートの世界に憧れを抱く少女・結束いのり。リンクへの執念を秘めたいのりに突き動かされ、司は自らコーチを引き受ける。才能を開花させていくいのりと、指導者として成長していく司。タッグを組んだ二人は栄光の“メダリスト”を目指す――!
それは、人間と人智を越えた存在との決別と共存の物語。社会のほとんどをhIEと呼ばれる人型ロボットに任せた世界。17歳の少年・遠藤アラトはある日一体のアンドロイド・レイシアに出会い、オーナー契約を交わす。一見人間とそっくりなそれは、世界を驚かすほどの性能を備えた超高性能AIが生み出した、人智を越えるアンドロイド<人類未到産物>5体のひとつだったーー。5つの機体はそれぞれ意味を持ち、互いの性能を求め戦いはじめる。その戦いを傍観することしかできない大人たちと、その存在に近づき新しい関係を試みる少年たち。未来への選択と、人間とモノとの関係の答えを求められる――。進化しすぎた機械と、人間世界を繋ぐのは何か?便利になりすぎた時代で何が大事で何が必要なのか、アラトは人間よりはるかに優れたアンドロイド・レイシアと出会ったことで未来への選択と、人間とモノとの関係の答えを求められる――。