繁栄と栄華を極めた人間たちの文明が崩壊してから長い年月が過ぎた。生き物のほとんどが死に絶え、全てが終わってしまった世界。残されたのは廃墟となった巨大都市と朽ち果てた機械だけ。いつ世界は終わってしまったのか、なぜ世界は終わってしまったのか、そんなことを疑問にさえ思わなくなった終わりの世界で、ふたりぼっちになってしまった少女、チトとユーリ。ふたりは今日も延々と続く廃墟の中を、愛車ケッテンクラートに乗って、あてもなく彷徨う。全てが終わりを迎えた世界を舞台に、ふたりの少女が旅をする終末ファンタジーが今、幕を開ける。
玄関を開けるとJSがいた――「やくそくどおり、弟子にしてもらいにきました!」16歳にして将棋界の最強タイトル保持者『竜王』となった九頭竜八一の自宅に押しかけてきたのは、小学三年生の雛鶴あい。9歳。「え? …弟子? え?」「…おぼえてません?」覚えていなかったが始まってしまったJSとの同居生活。ストレートなあいの情熱に、八一も失いかけていた熱いモノを取り戻していくのだった。
沈みゆく世界で、君をみつけた。原因不明の海面上昇によって、地表の多くが海に沈んだ近未来。幼い頃の事故によって片足を失った少年・斑鳩夏生は、都市での暮らしに見切りを付け、海辺の田舎町へと移り住んだ。身よりのない彼に遺されたのは、海洋地質学者だった祖母の船と潜水艇、そして借金。夏生は“失った未来”を取り戻すため、祖母の遺産が眠るという海底の倉庫を目指して潜る。そこで見つけたのは、棺のような装置の中で眠る不思議な少女―アトリ。彼女は、人間と見紛うほどに精巧で感情豊かなロボットだった。海底からサルベージされたアトリは言う。「マスターが残した最後の命令を果たしたいんです。それまで、わたしが夏生さんの足になります!」海に沈みゆく穏やかな町で、少年とロボットの少女の、忘れられない夏が始まる―。
亡き祖父譲りのあやかしを見る力を持っていた女子大生・津場木葵は、突然、あやかしの棲まう隠世(かくりよ)の老舗宿「天神屋」へと攫われてしまう。戸惑う葵は、祖父の残した膨大な借金と、そのカタとして鬼神の大旦那に嫁入りをしなければならない約束が交わされていたことを知る。納得がいかない葵は婚姻をはねのけ、起死回生の策として、天神屋で働いて借金を返済するとあやかし達に宣言するのだが……。
怪異に曳かれつづけた阿良々木暦の一年間。これまでの“物語”と“物語”の間でひそかに生まれていたいまだ語られていないエピソードたちを、一月に一話からなる12編の短編連作で巡る。〈物語〉シリーズ公式アプリだけで視聴できる短編アニメという新たな形でつづられる、暦達が過ごした1年間。そして“物語”は運命の朝へ向かう――。
魔王と勇者の決戦直前。
王道RPGにおけるオーソドックスな対峙――。
片や、剣と魔法を自在に操つり、一人で一軍にも匹敵すという勇者。
片や、魔界のすべてを統べる魔王。
魔界にそびえる魔王城、その奥深くにある謁見の間。
魔王のあまりにもありがちな問い「この我のものとなれ」と
勇者のわかりきった答え「断る!」から、
人間界と魔界、二つの世界を変えるべく手を組んだ二人の挑戦が、いま始まる。
高校の卒業式の翌朝。顔を洗おうと洗面台の鏡に向かい合った暦は、そこに映った自分自身に見つめられている感覚に陥る。思わず鏡に手を触れると、そのまま指先が沈み込んでいき……。気がついたとき、暦はあらゆることが反転した世界にいた。
勉強にしか興味がなかった水谷雫は、入学初日の流血事件以来、一度も学校に来ない吉田春にたまたまプリントを届けたことで、勝手に懐かれてしまって…!?不器用な少年少女が織りなす恋愛&友情の物語 誰かと向き合うこと、それは、自分自身と正直に向き合うこと―
――これは「絶望」に囚われた、青年の物語――人間の死肉を喰らう怪人“喰種”が潜む街――東京。大学生のカネキは、ある事故がきっかけで“喰種”の内臓を移植され、半“喰種”となる。人を喰らわば生きていけない、だが喰べたくはない。人間と“喰種”の狭間で、もがき苦しむカネキ。どちらの世界にも「居場所」が無い、そんな彼を受け入れたのは“喰種”芳村が経営する喫茶店「あんていく」だった。そしてカネキは自らが“喰種”と人間、ふたつの世界に「居場所」を持てる唯一人の存在であると知る。互いが歪めた世界を正すため、カネキは“喰種”と人間の想いが交錯する迷宮へと立ち入るが…。――僕は“喰種”だ――全てを守れる「強さ」を欲したカネキが取った究極の選択は、自らの人間的な部分を葬り“喰種”として生きることだった。走り出してしまった決意。暴走する優しさ。「強さ」の果てに、カネキが見たものとは…?原作者・石田スイが紡ぎ出す、もうひとつの「東京喰種」が幕を開ける。
いまだ人と、人ならざるものの世界が、分かれてはいなかった時代。ヘンドリクセンとドレファスの二大聖騎士長の支配から王国を奪還した<七つの大罪>とエリザベス、ホーク。王国誕生祭も無事に終わり、リオネス王国にようやく平和が訪れた。だが、次なる脅威の予兆は、確実に生まれつつあった──