エドワードとその弟アルフォンスは、幼き日に亡くした母親を思うあまり、死んだ人間を蘇らせるという錬金術最大の禁忌、人体錬成を行ってしまう。しかし錬成は失敗し、エドワードは左足を、アルフォンスは体全てを失う。己の右腕と引き換えに、かろうじて弟の魂を錬成し、鎧に定着させることに成功したが、その代償はあまりにも大きすぎるものであった。エドワードはアルフォンスと共に、失った全てを取り戻すため、絶大な力をもつ「賢者の石」を探す旅に出る。右腕と左足を鋼の義肢「機械鎧(オートメイル)」に変えた彼を、人は「鋼の錬金術師」と呼ぶ・・・。
処刑前夜、牢から逃げ出す令嬢ジル。何の咎もない自分を罪人に仕立て上げたのは、婚約者の王太子・ジェラルドだった。戦場で「化け物」と恐れられ、いつしか「軍神令嬢」と呼ばれるようになった働きもすべて初恋のためだったのに……。初対面で求婚された、あの夜。もし、もしも、渡された薔薇を手に取らなければ……。後悔にくちびるを噛みながら兵の矢に討たれたジルは生涯を終え――た、はずだった。気がつけば、そこは2人が出会った6年前の夜。ジルは、10歳に戻ってしまった自分に戸惑いながらもジェラルドの求婚をかわすため、たまたま手を掴んだ男に「一目惚れした」と嘘をつく。だがそれは、6年後の未来に暴虐の限りを尽くし、クレイトスを火の海に沈めた隣国の皇帝・ハディスだった――!でも、ジルが知る姿とはまるで違うピュアすぎる「恋愛オンチ皇帝」で……!?やがて、ジルは決意する。ジェラルドではなく、ハディスと結ばれることで失ったすべてを取り戻していこうと。「あなたを必ず更生――いえ、しあわせにいたします」生涯最悪の選択を回避したやりなおし令嬢の大逆転劇が、幕を開ける!
ある日突然「聖女」として異世界に召喚された20代の会社員・セイ。 元々の植物好きを活かして薬用植物研究所で働き始めるが、 仕事人間ゆえの生真面目さに“聖女パワー”が加わり、 セイは効果5割増しのポーションを次々と作り出す。 さらに、魔物討伐では凄まじい威力の浄化魔法を発動し、セイの評価は爆上がり! 「聖女」であることも正式に認められ、 スランタニア王国の救世主として、人々の尊敬を集めていく。 そんな彼女を見守り支えてくれるのは、 研究所のヨハンやジュード、宮廷魔道師団のユーリ、 そして、互いに惹かれ合いながらも、いまだ恋人未満な“氷の騎士様”アルベルトだった。 王国の最重要人物となってからも相変わらず研究三昧なセイだが、 アルベルトとの仲は少しずつ深まって、恋模様にも新たな展開が――!?
今までの人生、ずっと平々凡々と生きてきた。運動も、勉強も、そこそこ。決して一番になれない普通の人間……それが、斎藤さん。職業"便利屋"の斎藤さんは、ある日、異世界に転生する。そこで出会ったのは、強く美しいツンデレ戦士。ラエルザ。呪文を忘れる最強魔法使い。で、エロじじいのモーロック。姿はかわいいが守銭奴の妖精。ラファンパン。斎藤さんは個性的すぎる仲間たちとダンジョン攻略に挑む。鍵開けのノウハウで、宝箱を開けたり、カバン修理のスキルで、仲間の防具を直したり。元の世界で身につけた"便利屋"の経験を異世界で活かす。異世界でも斎藤さんは決して「特別」ではない。しかし、必要とされることを知り「ありがとう」を知る。斎藤さんは充実していた。
頼み事を断れない、お人好しの少年・鈴木入間は、ひょんなことから魔界の大悪魔・サリバンの孫になってしまう! 溺愛される入間は、彼が理事長を務める悪魔学校に通うことに…。人間の正体を隠しつつ、平和な学園生活を送りたいと願うも、なぜか入間はいつも注目の的。エリート悪魔にケンカを売られ、珍獣系(?)女子悪魔になつかれ、さらに厳格な生徒会長に目をつけられてしまう! 次々に起こるトラブルを入間は持ち前の優しさで乗り越えていく!
「いらっしゃいませ! ようこそ、洋食のねこやへ!!」アレッタとクロが働いている「洋食のねこや」は猫の絵が描かれた看板が目印。一見、日本のどこにでもある普通の食堂だが、7日に一度“特別営業”であるドヨウの日になると、異世界のあらゆる場所に扉がつながる。扉を通じて、今日も様々な“向こうの世界”の客がやってきて絶品の料理に舌つづみを打ち、帰っていく。この店に集う人々、料理との一期一会を描く物語。温かい出会いの扉が再びつながる。
平凡な高校生・兎里 健(ウサト)は、帰宅の途中、生徒会長の犬上鈴音(スズネ)、クラスメイトの龍泉一樹(カズキ)とともに突如現れた魔法陣に飲み込まれてしまう――。気づくと、そこは異世界。3人は王国に攻め込んでくる魔王軍に対抗できる『勇者』として召喚された……はずが、勇者の適性を持っていたのはスズネとカズキのみ。ウサトは巻き込まれただけだった!しかし、ウサトに“治癒魔法”の適性があることが判ると事態は一変。救命団団長を名乗るローズが現れ、ウサトを力ずくで連れ去ってしまう。そこでウサトを待っていたのは、想像を超える地獄の訓練の日々だった――!
若き行商人クラフト・ロレンスは、荷馬車を引く一頭の馬を相棒に、街から街へと商品を売り歩く日々を送っていた。ある日、黄金色の麦畑が広がる小さな村を訪れた彼は、耳と尻尾を有する美しい少女と出会う。「わっちの名前はホロ」自身を“賢狼”と呼ぶホロは、豊穣を司る狼の化身だった――。彼女の「遠く北にあるはずの故郷・ヨイツの森へ帰りたい」という望みを聞き、ロレンスとホロは北を目指す商売の旅の道連れとなる。だが行商人の旅には思いがけない波乱がつきもので……。孤独だった行商人と、孤独だった狼の化身を乗せた馬車が、今、騒がしく走り始める。
ムルナイト帝国の名門貴族ガンデスブラッド家の令嬢、テラコマリ・ガンデスブラッド。吸血鬼なのに血が飲めないコマリは、魔法が使えない、運動ができない、背が伸びないという三重苦に悩まされ、3年間の引きこもり生活を送っていた。しかし、ある日親バカの父がとんでもない就職先を見つけてくる。その名も『七紅天大将軍』!それは本来帝国の猛者しかなれず、3ヶ月に一度のペースで他国に戦争を仕掛け勝利しなければならない超ハードな役職。さらに部下たちは元犯罪者ばかりで将軍に就任したコマリに対して下剋上を狙う気満々……。絶対に断りたいけど、皇帝直々の任命なので辞めることすら許されない。本当の実力がバレたら即破滅なこの状況……それでもコマリはハッタリと可愛さを武器に己の任務を遂行する!「私がこれから為すことはな、単純極まりない覇業だ!すなわち、テラコマリ・ガンデスブラッドは――他の5カ国の大将軍を武力で全員ブチ殺し、ムルナイトの国威を全世界に喧伝してやるのだ!」最強(!?)吸血姫による歴史に残る快進撃がここに始まる!
高校生活を“ぼっち”で過ごしていた遥は、授業中に突然クラスメイトと共に異世界召喚に巻き込まれてしまう。チートスキルが並ぶリストから好きなスキルを選んで神様から与えられる――はずが、チートスキルは早い者勝ちで既にめぼしいものはクラスメイトに取り尽くされていた!?神様の逆ギレで残ったバッドスキルを全て押し付けられた遥は、スキル『ぼっち』のせいで、異世界でも孤独に冒険することに……。チートに頼らず、チートを超えてやる――最強”ぼっち”の異世界HARDモード攻略譚、開幕!