「その日、初めて退屈じゃなくなった――」とある中学校で起こった教師のバラバラ殺人事件。この学校に通う少年・コバヤシは、事件の捜査に訪れた天才探偵・アケチと出会う。異常犯罪ばかりを捜査するアケチに対して興味を持ったコバヤシは、友人のハシバの心配をよそに、自ら「助手」を志願する。次々と起こる奇怪な事件の中で、コバヤシは退屈な日常を捨て置いていくのだった。
1990年2月、神戸市北区オリゴン村。児童養護施設で過ごしていた双子の少年ミギとダリは、ある日裕福で穏やかな老夫婦、園山夫妻に養子として迎えられる。しかしそれはふたりの少年「ミギ」と「ダリ」としてではなく、ひとりの少年「園山秘鳥」としてだった。二人は正体を隠し、園山秘鳥を演じながらオリゴン村に溶け込んでいく。一体何のために二人で一人の人間を演じているのか。そこには大きな秘密と恐るべき目的があった。
湖のほとりにある静かな街に現れる〈古きもの〉。それは人を喰らうモノである。更衣小夜は人に知られることなく、浮島神社に伝わる御神刀を手にたった一人で〈古きもの〉を狩る『務め』を果たしていた。それは大切な父を、友を、街を、そして大切な『約束』を守るための戦いでもあった。〈古きもの〉の正体とはなにか。果たして小夜に待ち受ける運命とは!?
誇り高き十二戦士の、血戦の記録 ――十二年に一度開催される第十二回目の十二大戦。干支の名を宿す十二人の猛き戦士が互いの命と魂を賭けて戦う。参加者は『子』『丑』『寅』『卯』『辰』『巳』『午』『未』『申』『酉』『戌』『亥』の十二人、異様なる戦士たち。その戦いに勝利した者は、どんな願いでもたったひとつだけ叶えることができる。どうしても叶えたいたったひとつの願い――最後に生き残る者は誰か?策謀と殺戮の渦巻く戦場で、流れるのは誰の涙か?魂を揺さぶるバトルロイヤルが開戦する。
フツーの公務員になったはずの新宿区役所職員・宮古新が配属されたのは、東京23区すべての区役所に人知れず存在する「夜間地域交流課」だった。そのお仕事は、人ならざる者が関与するオカルト的事象の解決。先輩で課のリーダー榊京一、オカルトマニア姫塚セオに連れられて人の世の理を超越した存在と対峙しに、夜な夜な出勤する。
約30年前、突如として地球に襲来した第一種災害指定異来生物――通称アンノウンは、人類を蹂躙し世界を崩壊へと追いやった。圧倒的な力を誇るアンノウンに、人類は総力戦で対抗。辛くも勝利を収めるが、戦争が終わった現在も散発的な侵攻に苦しめられていた。終わらない脅威に対抗するため組織されたのが、3つの防衛拠点からなる南関東防衛機構である。東京、神奈川、千葉の各防衛都市には、固有能力<世界>を身につけた少年少女が所属。<世界>を駆使しながら、アンノウンと戦い続けていた。彼らは世界の命運を背負わされるだけではなく、ランキングと呼ばれる制度によって貢献度を競わされ、常に最前線で人類の領域を守っている。そんな極限状況の中で、何を見て、何を守ろうとするのか――。
突然、謎の死を迎えた「凛子」は、小説の中の富豪の娘「レリアナ」として転生する。しかし、レリアナは脇役であり、近いうちに命を落とす運命だった。レリアナを殺害するのは、婚約者である「ブルックス」である。そのことを小説のストーリーで知っている「レリアナ/凛子」は、彼との婚約破棄を目論む。そこで彼女は王国の実力者である王位継承序列1位の公爵「ノア」に近づき、ある取引を申し込む。それは「6ヶ月の間だけ婚約者のふりをしてほしい」というものだった。果たして2人の取引で、彼女は死の運命から逃れることはできるのか!?
二角奇人(ディクロニウス)は、人間の突然変異体・・・・・・頭から生えた角を持ち、第6感とも言える特殊な能力と手を持っていた。人類を淘汰する可能性をも秘めた彼らミュータントたちは、その危険な能力のため、国家施設に隔離、研究されていた。しかし、偶発的事故により、ディクロニウスの少女ルーシーは拘束を破り、警備員らを殺戮、研究所を逃げ出す。が、その途中で記憶喪失となってしまう。過去と記憶を無くしたルーシーは、鎌倉・由比が浜に流れ着くが、その浜辺でコウタとユカに出会い、「にゅう」と名付けられ、コウタの住む楓荘に居候することになる・・・・・・のヒカルはある日、古い碁盤に宿る平安時代の天才棋士・藤原佐為の霊と出会う。それまで囲碁に全く興味のなかったヒカルだが、しだいにその魅力に惹かれてゆく。
一族の悲願のため強奪した大聖杯を象徴に掲げ、魔術協会からの独立を目論む黒の陣営。彼らの野望を阻止せんと魔術協会によって招集された赤の陣営。ルーマニア・トゥリファスを舞台に、二つの陣営に召喚された英霊十四騎によって繰り広げられた聖杯大戦は、此度の大戦の監督役である赤の陣営のマスターの一人、シロウ・コトミネによってその様相を変える。大聖杯による全人類の救済を願うシロウ・コトミネ――“奇跡の子”天草四郎時貞。ルーラーとして聖杯大戦の調和を願う――“聖女”ジャンヌ・ダルク。“竜殺し”の力をその身に宿し、己の願いの為剣を取る、何者でもなかった少年――ジーク。それぞれの願いの果てに、“外典”が紡がれる。
歳を経た器物は、やがて“心”を宿し、付喪神となるーー塞神より力を授かり付喪神と対話し、常世へ還す生業ーー”塞眼”。塞眼御三家の一つ・岐家の次期当主、岐兵馬は大切なヒトを奪われ付喪神を憎悪する。千年の都、京都で暮らす長月家の当主、長月ぼたんは”家族”として愛する六人の付喪神と共棲する。過去に囚われ、力ずくで付喪神を封殺し続ける兵馬に、祖父造兵は「彼らの声を聞き、導くこと」を指し示す。祖父が出す条件は今一度、付喪神を見極めるために居候として長月家で家族と共に過ごすこと。付喪神へ正反対の想いを抱く兵馬とぼたん。二人は出逢い、一つ屋根の下で暮らすこととなる。人と付喪神。縁を紡ぐ付喪ノ語り。