紀元前、中国西方の秦国(しんこく)。今は亡き親友・漂(ひょう)と夢見た「天下の大将軍」を志す元・下僕の信(しん)は、少年の頃、秦王の座を巡るクーデターに巻き込まれ、第31代秦王・嬴政(えいせい)と運命的に出会った。秦軍所属の「飛信隊(ひしんたい)」隊長として戦場に身を置く信は、嬴政とともに、誰も成し遂げたことのない「中華統一」を目指し、同世代の将である蒙恬(もうてん)や王賁(おうほん)らと切磋琢磨しながら着実に出世を重ねてゆく。一方、若くして秦王の座に就いた嬴政もまた、じっくりと宮廷内で力を蓄え、ついには相国・呂不韋(りょふい)から国の実権を奪還。これによりいよいよ宿願・中華統一へと本格的に乗り出すこととなる。中華統一に向けた新たな拠点とするため、趙国(ちょうこく)にある「黒羊丘(こくようきゅう)」の攻略を狙う秦軍。信率いる飛信隊も攻略戦に加わるが、この戦いで秦軍の総大将を務めるのは「残虐非道のカリスマ」と呼ばれ、勝つためならば非道な手段も厭わない桓騎(かんき)だった。対する趙軍総大将は、稀代の天才軍師・李牧(りぼく)から信頼され、「沈黙の狩人(ちんもく の かりゅうど)」との異名を持つ慶舎(けいしゃ)。互いに底知れぬ恐ろしさを秘めた総大将の下、要所・黒羊丘を巡る攻防戦が始まる!
ずっとずっと昔の時代、天空には白の王国が、地上には黒の王国があり、〈均衡〉を保ちつつ〈循環〉していた。ある時、黒の王国で魔獣に襲われ壊滅した村で、少年が墓を掘っていた。その少年の元へ、先代の闇の王候補者スキアーズが現れる。スキアーズに見出された少年は、闇の王子となってこの世界を変える事を決意する。一方、白の王国の守護神である光の王アイリスは、光と闇の均衡が破られる事を懸念していた。そこへ均衡を乱す存在バール出現の知らせが入る。黒の王国の闇の王は、目障りなバールを討つために盟約を申し入れる。光の王アイリスは、黒の王国からの使者闇の王子と出会い、共に平和な世界をもたらそうと〈約束〉する。だがふたりの〈約束〉は、闇の王によって踏みにじられる事となる。ふたりが交わした〈約束〉と、世界を滅ぼした始まりの罪。〈根源〉(ゼロ)へと至る物語が幕を開ける―――