フシは最初、地上に投げ込まれた“球”だった。持っていたのは「刺激を受けた物の姿へ変化できる能力」と「死んでも再生できる能力」。球から石、オオカミ、そして少年へと姿を変化させていくが、赤子のように何も知らぬままさまよう。やがて出会う人々に生きる術を教えられ温かい感情を知り、人間を模して成長していくフシ。宿命の敵・ノッカーとの壮絶な闘い、大切な人との別れ…痛みに耐えながら自分の生き方を選びとり、力強く生きるフシの永遠の旅を描く。
かつて異世界であるエクレールへと召喚され、人間族、獣人族、魔族による戦乱を収めて世界に平和をもたらしたセツ。種族間を越えた平和という初めての偉業を成し遂げたセツは勇者と称えられたが、戦いの後で元の世界へと転生させられてしまい、現世で二度目の人生をやり直すことになってしまった。勇者としての記憶と力を持ったまま二度目の人生を送りセツが高校生になった時、何の因果か再びエクレールへと召喚されてしまう。別人となったセツが二度目の異世界召喚をされると、エクレールでは五年の月日が流れており、世界は再び戦乱の兆しを見せていた……
かつて世界は〝邪竜〟と呼ばれる邪悪な存在によって滅ぼうとしていた。しかし、1人の勇者によって邪竜は倒され、世界は救われた。それから200年あまりの時が過ぎようとしていた――。世に数多ある迷宮都市の1つ、マータット。そこに〝無能〟と呼ばれる男がいた。名はラウスト。職業、治癒師。ラウストはその無能さゆえに他の冒険者たちから蔑まれ、利用され、捨てられる。そんな日々をくり返していた。ある日、ラウストの前に1人の少女があらわれた。名はナルセーナ。職業、武闘家。ナルセーナはとあるパーティーから追放されたばかりのラウストに言った。「お兄さん、私とパーティーを組みませんか?」今、ラウストとナルセーナ、2人の冒険がはじまる――。