悪夢は終わらない。絶望は破滅を誘い、厄災は惨禍を招く。ジャガーノートとの闘いのさなか、奈落に消えたベルとリュー。行き着いた先は、全ての冒険者が恐れるダンジョンの深淵――『深層』。満身創痍、孤立無援、迫り来る厄災の脅威。迷宮決死行の渦中、五年前の後悔に苛まれる妖精はかつての仲間を追憶する。一方、ベル不在のパーティの前に現れたのは、双頭の巨竜アンフィス・バエナ。破壊の化身が吐き出す凶悪な炎流が全てを呑み込む。希望も光明も失われた迷宮で、冒険者達が辿る運命は幕切れか、それとも……これは少年と妖精が押し寄せる死に抗う、過酷に満ちた【眷族の物語(ファミリア・ミィス)】――
その街には多くの神々が住まい、その街の中心には地中奥深く――深淵へと至る『ダンジョン』が存在する。その街の名は迷宮都市オラリオ。女神ヘスティアと冒険者ベル・クラネルは、相も変わらず主神とたったひとりの眷族という最小構成。だが、世界最速のランクアップという偉業を成し遂げたベルには、これまでにないほどの視線が注がれ始めていた――迷宮・出逢い、そして冒険――これは再び綴られ始めた、──少年が歩み、女神が記す 【眷族の物語(ファミリア・ミィス)】──