主人公、沢木惣右衛門直保は、空気中の菌が目に見えるという特殊な体質の持ち主。もやし(種麹)(※3)屋の息子である彼は、幼なじみで造り酒屋の息子・結城蛍とともに農業大学進学のため東京にやってきた。入学式当日、祖父からのメモに書かれた樹という人物に会いに行く二人。祖父と古くからの知り合いという樹は、菌について語りだすと止まらない、ちょっと奇異な老教授だった。その後、樹研究室に出入りするようになった沢木は、新たな「菌」と「発酵」の世界に触れながらも、彼を取り巻く少し変わった人たちとの出会いによって、様々な騒動に振り回されていくことに・・・。※3 たねこうじ・・・蒸米にこうじかびを生やしたもの。日本酒の原料のひとつ。
30歳の独身男ダイキチは祖父の葬儀で見知らぬ6歳の女の子りんと出会う。実は祖父の隠し子であることが分かり驚愕するダイキチ。親戚たちがりんを引き取る話し合いのふりをしながら互いに責任を押しつけ合う中、見兼ねたダイキチは勢い余ってりんを引き取ることを宣言してしまう。正義感は強いがうっかり者のダイキチと、子供ながらにどこか芯の強さをもつ少女りん。ふたりの凸凹・二人三脚・共同生活が始まる。
春。都会から離れ穏やかな時間の流れる田舎町。桜の舞い散るなか八十稲羽駅に降り立つひとりの少年・鳴上 悠。家庭の事情から叔父のいるこの町へやってきた悠は、地元の八十神高校へと転入することとなる。そしてはじまる学園生活―。放課後のショッピングモール。街で起こる連続殺人事件。深夜に流れるマヨナカテレビ…。悠と仲間たちに“今度は”一体どんな日々が待ち受けているのだろうか?
中世イングランド。ヨーク家とランカスター家が王位争奪を繰り返す薔薇戦争時代。ヨーク家の三男として生まれたリチャードは、母からは「悪魔の子」と疎まれる一方、同じ名を持つ父からは真っ直ぐな愛情を受けて育っていた。リチャードの願いは、この世の光である父・ヨーク公爵が王位に就くこと。だがリチャードの純粋な願いは、イングランドに戦乱の嵐を招くことになる。さらにリチャードは、男女二つの性を持って生まれたという秘密があった。誰にも明かせぬ秘密を胸に秘めたまま、リチャードもまた戦いの渦中に巻き込まれていく。そこで待つのは愛の温もり、絶望の痛み。痛ましくも美しい邂逅と別離が、「悪」の道へとリチャードを誘っていく――。
「これは永遠の拷問。」 伊豆諸島、六軒島。全周10kmにも及ぶこの島が、観光パンフに載ることはない。なぜなら、大富豪の右代宮家が領有する私的な島だからである。年に一度の親族会議のため、親族たちは島を目指していた。議題は、余命あと僅かと宣告されている当主、金蔵の財産分割問題。天気予報が台風の接近を伝えずとも、島には確実に暗雲が迫っていた…。 六軒島大量殺人事件(1986年10月4日~5日) 速度の遅い台風によって、島に足止めされたのは18人。 電話も無線も故障し、隔絶された島に閉じ込められた。 彼らを襲う血も凍る連続殺人、大量殺人、猟奇の殺人。 台風が去れば船が来るだろう。警察も来てくれる。 船着場を賑わせていたうみねこたちも帰ってくる。 そうさ、警察が来れば全てを解決してくれる。 俺たちが何もしなくとも、うみねこのなく頃に、全て。 うみねこのなく頃に、ひとりでも生き残っていればね…?
僕は変わる世界を知る――TVアニメの第2シリーズ。世界の紛争地帯で“世界平和のために武器を売る”ココ・ヘクマティアルは、両親を奪った“武器”を憎みながらも銃を持って戦場でしか生きられない寡黙な元少年兵ヨナを自らの私兵部隊に引き入れる。ヨナを加えたココと部隊のメンバーはタフな交渉や激しい戦闘を切り抜けながら、世界各地で“ビジネス”を展開していく…。
フィオーレ王国随一で、お騒がせ魔導士ギルドとしても有名な「妖精の尻尾(フェアリーテイル)」。そこに所属するナツ・ルーシィ・ハッピー・グレイ・エルザ・ウェンディ・シャルルの最強パーティーは、旅立ちの時を迎えようとしていた。目指す先は遥か北の大地・ギルティナにあるという世界最古の魔導士ギルド「魔陣の竜(マギア・ドラゴン)」。黒魔導士ゼレフや黒竜アクノロギアとの死闘を乗り越えたナツたちに、<S級クエスト>の更に上級である<100年クエスト>に挑む許可が特別に下りたのだ。<100年クエスト>は、「魔陣の竜」が創設されてから百余年、誰一人として達成できていない伝説級の難関依頼。初めての大陸の“不可思議な街”、初めて出会う“不可解な神”、そして動き出す“不気味な敵”…。心躍るナツたち「妖精の尻尾」の新たな大冒険が、幕を開ける!
ナツたちが不在だった7年の間に、フィオーレ王国最弱の魔導士ギルドとなってしまった「妖精の尻尾(フェアリーテイル)」は、NO.1ギルドを決める祭典・「大魔闘演武」での優勝を目指す。大会四日目、ナツ&ガジルは、現最強ギルド・「剣咬の虎(セイバートゥース)」の双竜と呼ばれるスティング&ローグと対戦。ナツは、双竜が放つ渾身の合体魔法(ユニゾンレイド)を、ギルドで育まれた想いの力と圧倒的なパワーで撃破する。この勝利により、見事1位に踊りでて歓声をあげるフェアリーテイルとそのメンバーたち。一方、対戦途中でナツにより闘技場から追いやられたガジルは、偶然にも闘技場の地下でドラゴンの死骸が大量に横たわる墓場を発見する。また、大魔闘演武の裏で暗躍する「ゼフレと似た魔力を持つ者」を探していたジェラールは、ついにその人物を追い詰めるが、素顔を見て驚愕する。大魔闘演武最終日、7月7日。この日は、かつてドラゴンが一斉に姿を消した日でもある。大会最終日の始まりとともに、それぞれの思惑が絡み合い、新たな事実が動き出そうとしていた。
1973年、地球に襲来した異星起源種「BETA」によって引き起こされた戦争は、人類を滅亡の淵へと追いやった。圧倒的な物量で迫るBETAに対し、人類は対BETA戦、人型兵器「戦術機」を実用化して戦線に投入、世界規模の抵抗を試みた。しかし、押し寄せるBETAに劣勢を強いられた人類は、ユーラシア大陸の大半を失うことになる。以降、30年近くも攻防は続くが、BETAとの戦いに光明は見えず、人類は未だ泥沼の中でもがいていた。 2001年、極東の最前線を支える日本帝国では、次期主力戦術機の開発が問題となっていた。そこで、国連軍の「プロミネンス計画」における日米共同の戦術機改修計画が提案される。帝国斯衛軍に籍を置く篁唯依は、計画責任者の任を与えられてアラスカへと向かう。それと同じ頃、米国軍の若き衛士ユウヤ・ブリッジスもまた、アラスカの地を目指していた。 その出会いが運命を大きく変えることを、このときのふたりはまだ知らずに――。 滅亡の危機に瀕した地球を舞台に、対“BETA”戦の要である人型兵器“戦術機”の新型開発をめぐる、熱き人間たちのドラマを描いたロボット・アクション作品!
「いやあ~~~~ッ、25過ぎてから男と別れるってキツいですね!」札幌在住、スープカレー屋で働く鼓田ミナレは、酒場で知り合った地元FM局のディレクター・麻藤兼嗣に失恋トークを炸裂させていた。翌日、いつものように仕事をしていると、店内でかけていたラジオから元カレを罵倒するミナレの声が……!麻藤はミナレの愚痴を密録し、生放送で流していたのだ。激昂してラジオ局へ乗り込むミナレ。しかし、麻藤は悪びれもせずに告げる。「お姐さん、止めるからにはアンタが間を持たせるんだぜ?」ミナレは全力の弁解トークをアドリブで披露する羽目に。この放送は反響を呼び、やがて麻藤からラジオパーソナリティにスカウトされる。「お前、冠番組を持ってみる気ないか?」
タイトルは『波よ聞いてくれ』。北海道の深夜3時半、そしてミナレは覚醒するッ!