さまざまな動物の姿をまとう獣人が住まう世界に、ラブラック=ベルは唯一の“人間”として生まれた。牙も毛皮も鱗(うろこ)もない彼女は“のっぺらぼう”と呼ばれ、どこにも自分と同じ種族を見つけることができずに、もの寂しさを感じながら日々を過ごしていた。「私も、世界と交じり合いたい」。そんな想いに胸を焦がし、身の丈ほどの大剣<唸る剣(ルンディング)>とともに、自分のルーツを探す旅に出ることを決意する。その代償として、数々の試練が待ち受けるとも知らずに……。
近未来、大都市の郊外。男は愛する家族と共に、慎ましく暮らしていた。ある夜、一家は突如として現れた黒装束の者たちに襲われ、妻と子を殺され、自身も重傷を負ってしまう。男の名はジョー・ローガン、顔も名前も変えているが忍び組織に追われる身の抜け忍「ヒガン」である。奇跡的に一命をとりとめた「ヒガン」は自問する。なぜ妻と息子は殺され、自分は生き延びたのか?怒りを胸に組織への復讐を決意した彼は、事件を担当するFBI捜査官のマイク、相棒のエマと共に、この事件の背後にある巨大な闇に立ち向かう。古巣である忍び組織は、最新テクノロジーを駆使したハイテク戦闘スーツ"グソク・ギア"を用いて、彼の始末を画策する。しかし、ヒガンはまだ知らない。組織のさらなる陰謀も、敵の一人がかつての仲間であることも――はたして、黒幕は誰なのか? いま、大いなる復讐劇の幕が上がる。