時は西暦1333年、武士による日本統治の礎を築いた鎌倉幕府は、信頼していた幕臣・足利高氏の謀反によって滅亡する。全てを失い、絶望の淵へと叩き落とされた幕府の正統後継者・北条時行は、神を名乗る神官・諏訪頼重の手引きで燃え落ちる鎌倉を脱出するのだった…… 。逃げ落ちてたどり着いた諏訪の地で、信頼できる仲間と出会い、鎌倉奪還の力を蓄えていく時行。時代が移ろう大きなうねりを、「戦って」「死ぬ」武士の生き様とは反対に「逃げて」「生きる」ことで乗り越えていく。英雄ひしめく乱世で繰り広げられる、時行の天下を取り戻す鬼ごっこの行方は――。
不滅の悪鬼(オーバーデス)と呼ばれた英雄を祖父に持つ少年ノエル。祖父に憧れ、最強の探索者(シーカー)を志す彼の持つ職能(ジョブ)は最弱と評される支援職【話術士】だった。祖父の遺志を継ぎ、並々ならぬ努力により探索者として力をつけたノエルだが、生まれ持った才能の差を埋めることはできなかった――しかし類稀なる才略をも開花させた彼は最強への道を見出す。仲間を集め最強の組織(クラン)を創り、そのマスターになること――。策略を巡らせ敵を翻弄し、仲間を率いて遥かなる高みを目指す。最凶の【話術士】は最強への道を切り開く。手段は選ばない。