古都の裏側に一風変わった店がある。「居酒屋のぶ」 これは、一軒の居酒屋を巡る、小さな物語である。異世界に繋がった居酒屋「のぶ」を訪れるのは、怠け者の衛兵、お忍びの聖職者、水道ギルドマスターなど個性的な面々ばかり。彼らは、寡黙な店主、ノブ・タイショーが振る舞う驚くほど美味しい酒や、未体験の料理に驚き、舌鼓を打ちながらつかの間、日々のわずらわしさを忘れるのだ。この居酒屋の噂は客から客へと拡がり、連日様々なお客がやってくる。さて今夜、居酒屋「のぶ」にはどんなお客が訪れ、どんな物語が紡がれるのか・・・。
昔々のお話です。ある所におじいさんとおばあさんがおりました。おじいさんは山へ芝刈りに おばあさんは川へ洗濯に──(中略)ついには鬼を退治しましたが、外国にも鬼がいるようなので…桃太郎は海を渡りました。すごいのは倒したこと 喜ぶべきは救ったこと ただ一つ…駄目だったことは…… ────楽しんだこと これはもしもの話だが……もし流れてきた大きな桃が一つではないとしたら…日本に流れてきた桃が複数あるうちの一つに過ぎないとしたら…