2017年秋――。17歳のときにトラックにはねられ、それから17年の間ずっと昏睡状態だった叔父が目覚めた。病室を訪れた甥のたかふみが目にしたのは、意味不明な言葉をつぶやき、異世界「グランバハマル」から帰ってきたと話す叔父の姿だった。……叔父さんは、頭がおかしくなっていた。絶句するたかふみだったが、おじさんは異世界にいた証拠を見せると言って魔法を使う。おじさんの力を金にかえて食っていこうと心に決めたたかふみは、身寄りのない彼を引き取りルームシェアを始めることに。おじさんとの生活の中で聞かされる、異世界での冒険譚と溢れんばかりのSEGA愛。孤独で過酷なおじさんの半生に、時には歓喜し時には胸をいためるたかふみ。動画配信業に勤しむ世代の離れた男二人、団地の片隅にて繰り広げられる、新感覚異世界コメディ!
赤淵の炎に飛び込んだ人皇すなわち人間界の皇帝・盛霊淵(ション・リンユエン)。それから悠久の時を経て、彼は何者かに「千霊法陣」という術を使って現代へと呼び覚まされた。現代には、その存在を一般に知られていない特殊能力者がおり、特殊能力で起こった事件は特殊能力者の自治組織である異常現象・特殊個体対策センター(異対センター)が秘密裏に処理することで、その均衡が保たれている。異対センターに就職した第36代目の赤淵の炎の守護者・宣璣(シュエン・ジー)は、センター入り初日から善後班の班長代理として盛霊淵が復活した事件を担当することとなったのだが――