山合いの風がよく吹く町、縁ヶ森町―。妖怪と人と神様が暮らすふしぎな日常の中で、それぞれの喜びや悩みを胸に日々を生きる、妖怪たちや人間たち。猫として20歳まで生きて、猫又に新生したぶちお。行方不明の父親を気にかけながらも、前向きに生きている人間のむつみ。代々この町を守っているカラス天狗のジロー。まったりほのぼのした田舎町の日常の中で起こる、ちょっとふしぎで優しい、繋がりの物語――。
表向きは売れない民俗学者にして、裏稼業では妖怪退治屋を営む一ノ宮勘太郎。鬼より遥かに強いという伝説の天狗を探していた勘太郎は、ついに「鬼喰い天狗」が封印されている神社を発見し、春華を解放する。以来行動を共にすることとなった二人。様々な事件を解決していくうち、二人の関係は徐々に変化を見せていく…。