真暦71年。宇宙都市“ダイソンスフィア”の開発によって、総人口の7割が宇宙で暮らす時代。世界は二つの勢力に分かれていた。軍事同盟から発展したドルシア軍事盟約連邦と、貿易協定を拡大させた環大西洋合衆国、通称“ARUS(アルス)”。中立を謳う小国ジオールは、経済的繁栄を手に入れ、平和を保っていた。そのジオールのスフィア内、モジュール77と呼ばれる区画に暮らす高校生、時縞ハルトの平穏な日常は、突然のドルシア軍の侵攻により一変した!ハルトと謎の人型兵器ヴァルヴレイヴとの出会いが、世界を揺るがす。
赤淵の炎に飛び込んだ人皇すなわち人間界の皇帝・盛霊淵(ション・リンユエン)。それから悠久の時を経て、彼は何者かに「千霊法陣」という術を使って現代へと呼び覚まされた。現代には、その存在を一般に知られていない特殊能力者がおり、特殊能力で起こった事件は特殊能力者の自治組織である異常現象・特殊個体対策センター(異対センター)が秘密裏に処理することで、その均衡が保たれている。異対センターに就職した第36代目の赤淵の炎の守護者・宣璣(シュエン・ジー)は、センター入り初日から善後班の班長代理として盛霊淵が復活した事件を担当することとなったのだが――