錬金術、それは「等価交換」の原則のもと、物質を理解、分解、そして再構築する、この世界で最先端の科学である。この錬金術において、最大の“禁忌”とされるもの「人体錬成」。亡き母親を想うがゆえ、禁忌を侵し、全てを失った幼き兄弟。機械鎧(オートメイル)をまとい、「鋼の錬金術師」の名を背負った兄、エドワード・エルリック。巨大な鎧に魂を定着された弟、アルフォンス・エルリック。二人は失ったものを取り戻すため、「賢者の石」を探す旅に出る。兄弟は「賢者の石」の真実に近づくにつれ、大きな陰謀の渦中へと突き進んでいく。暗躍する人ならざる者たちの存在。徐々にその本性をむき出しにする軍事国家アメストリス。虐げられた民の果て無き憎しみと復讐の念。錬金術がもたらす幾多の悲劇。点在する悲劇は、やがて線になり、人を、民を、そして国すらをも巻き込んでいく。兄弟は絶望と希望の狭間の中、それでも前に進む--。
幼い日。宇宙飛行士になると星空に約束を交わした兄弟、六太と日々人。そして、2025年。弟・日々人は、夢を追い、宇宙飛行士となっていた。日本人初となる、月でのミッションクルーに選ばれた日々人は世界中から注目を浴びる。一方、日本の自動車メーカーに勤める兄・六太は、上司とのケンカで頭突き、見事にクビとなり実家に強制送還…。そこへ、六太に日々人から一通のメールが届く。「二人で宇宙へ行く」心の奥から呼び覚まされた幼い日の約束に突き動かされるように、六太は再び宇宙を目指す。星の数ほどのライバルと厳しい試験のその先に―待っとけ、宇宙!宇宙飛行士となった弟、無職の兄。約束をかなえた弟、約束を思い出す兄。約束の宙(そら)を目指す、宇宙兄弟の物語が始まる。