「一生、バンドしてくれる?」高1の春の終わり。羽丘女子学園では誰も彼もがバンドをしており、遅れて入学した愛音も早くクラスに馴染めるよう、急いでバンドメンバーを探す。そんな中、「羽丘の不思議ちゃん」である燈がまだバンドを組んでいないと知り、愛音はなんとなく声をかけるが……。傷だらけで不格好な、私たちの音楽<叫び>。迷子でもいい、迷子でも進め。
「言ったでしょう?残りの人生、わたくしに下さいと」豊川祥子がメンバーを招き入れたバンド・Ave Mujicaは、ライブやメディア露出など、商業的な成功を収めていた。運命をともにすると誓った仲間も、生まれ育った家も失った少女。彼女は何のために他人の一生を背負い、バンドを続けるのか。過去も素顔も仮面で覆い隠し、今宵も完璧な箱庭に降り立つ。――これからご覧にいれますのは、秘密を抱えた、彼女の話。